「食物繊維をとったほうがいい」と分かっていても、毎日の食事でどれくらい足りているのかは、意外と見えにくいものです。
- 野菜を食べているつもりなのに、なんだかスッキリしない
- 甘いものを少し控えたいのに、つい手が伸びる
- 肌や体調のゆらぎが気になって、腸活や糖化ケアも気になってきた
そんなときは、まず食物繊維のとり方を少し見直してみるのもよいかもしれません。
食物繊維というと「お通じ」のイメージが強いかもしれませんが、最近は、腸の中にいる細菌たちとの関わりにも注目が集まっています。
食物繊維は、思っているより不足しやすい栄養素
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人男性で1日約20 g、成人女性で1日約18 gが目標とされています。一方で、目標量を算定する際に参照された摂取量の中央値を見ると、女性30〜49歳では11.5g/日、女性50〜64歳では13.44g/日。ほとんどの世代で、目標量まであと数 g足りない食生活であることがうかがえます。

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」による、食物繊維の目標量を算定するために参照した値 (g/日)から転載。
たとえば、30〜49歳女性の中央値11.5gと目標量18gを比べると、差は約6.5gです。
野菜だけで考えると、これはかなりの量になります。
たとえば、ゆでブロッコリーなら約130 g、キャベツなら約360 g前後がひとつの目安です。
そのため、野菜だけで頑張るより、もち麦・豆・きのこ・海藻・いも類なども組み合わせて、食事全体で少しずつ足していくほうが続けやすくなります。
最近では、難消化性デキストリンなど、粉末タイプの食物繊維を飲み物や料理に加えてとれる商品もあります。食事だけで毎日整えるのが負担に感じる日は、こうした選択肢も含めて、自分にとって続けやすい方法を選んでみるのもよいでしょう。
食物繊維は、腸内細菌の“ごはん”にもなる
食物繊維というと、まず「お通じにいいもの」というイメージがあると思います。
加えて最近は、食物繊維と腸内細菌の関係にも注目が集まっています。
腸の中には、たくさんの細菌がすんでいて、その中には、私たちが食べたものの一部を利用して、腸内環境に関わる成分をつくる細菌もいます。
その“エサ”になりやすい食物繊維のひとつが、発酵性食物繊維です。
言葉だけ聞くと少し難しく感じますが、流れはこのように考えると分かりやすくなります。
発酵性食物繊維
- 腸内細菌の“ごはん”になりやすい食物繊維
- 穀類、豆類、いも類、海藻、きのこなどに含まれる
- 野菜だけでなく、主食や汁物からもとり入れやすい
腸内細菌
- 腸の中にすむ細菌たち
- 発酵性食物繊維を利用して、体に関わる成分をつくる
- 食事の内容によって、働き方やバランスが変わると考えられている
短鎖脂肪酸
- 腸内細菌が発酵性食物繊維を利用するときにつくられる成分
- 腸内環境や代謝の研究でよく登場する
- 腸がすこやかに働くためのサポート役として注目されている
つまり、
発酵性食物繊維をとる
→ 腸内細菌のエサになる
→ 腸内細菌が短鎖脂肪酸をつくる
という関係です。
また、発酵性食物繊維からつくられる短鎖脂肪酸は、糖の代謝やインスリン感受性との関わりも研究されており、糖化ケアを考えるうえでも食物繊維は無理なく意識したい栄養素のひとつです。

菌だけでなく、菌がよろこぶ食物繊維を
発酵性食物繊維は、私たち自身の栄養になるだけでなく、腸内細菌に働いてもらうための“材料 (エサ)”にもなります。
そのため、腸活を考えるときは菌だけでなく、菌が利用しやすい食物繊維を届けることも大切といえます。
たとえば、このような方法がおすすめです。
- 白ごはんを雑穀ごはんにする
- 味噌汁にわかめやきのこを足す
- スープに豆やもち麦を入れる
- おやつを焼き菓子だけでなく、果物やナッツに寄せてみる
このような小さな工夫で、少しずつ腸内細菌に届く食物繊維の入り口を増やしてみましょう。
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※ 注意
本記事はあくまで情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスではありません。
健康上の問題のある方は、必ず医療専門家にご相談ください。

