加齢の“二重基準・三重基準”とは? 科学で読み解く30・40代女性の心と、ウェルエイジングのヒント

30代、40代に入ると、ふと気づく“小さな変化”があります。
「前より疲れやすい」「心がザワつくことが増えた」「自分に自信が持てない瞬間がある」
実はこれ、加齢による身体の変化だけでなく、心の在り方(自尊心や自己肯定感)とも深く関係していることが心理学研究で示されています。

  働く女性は「自己肯定感」が高い

自尊心や、できると思える自信、自己肯定感(※)が高いと、心身の健康や社会的な満足度、幸福感が高い傾向があると言われています。そこで、インドの研究グループが専業主婦と働く女性の自己肯定感について調べました。
この研究では、ローゼンバーグ自尊感情尺度、一般性セルフ・エフィカシー(自己効力感)尺度という二つの方法を用いて70名の女性のアンケートを実施しました。
その結果、いずれの尺度でも働く女性の方が高いことがわかりました。

  働く女性の自己肯定感は、高くなりやすい要素が多い

確かに、調査データ上は、就労女性は専業主婦よりも自尊心・自己効力感が高い傾向が繰り返し報告されています。
働くということは、

  • 認められる機会がある
  • 成果が数字や評価として返ってくる
  • 経済的な自由度が少し増える

といった「心の栄養」になる要素が多く含まれているからです。
その一方で、働く女性・専業主婦のどちらも、

  • 仕事
  • 家事
  • 育児や介護
  • 自分や家族の健康管理
  • 友人や親戚との比較
  • 年齢とともに低下する体力

などのさまざまなお悩みでパンパンになりがち。
「こなしている自分」への自信と、「常に足りていない気がする自分」への落ち込みが、いつも心の中で共存しています。

つまり、

働いているからといって、悩みや不安が減るわけではない。
むしろ「抱えるものの総量」は増えている可能性すらある。

そんな現実が浮かび上がってきます。

では、私たち女性の悩みを形づくっているものは何でしょうか?
特に職場環境で見えてくるのが、「加齢の二重基準・三重基準」という考え方です。

  「女性はいつまでも若くあるべき?」加齢の二重基準

研究では、現代社会にはこんな暗黙のルールがあると指摘されています。

  • 男性:年を重ねると「渋い」「貫禄」「経験値」と評価されやすい
  • 女性:年を重ねると「老けた」「疲れて見える」と評価されやすい

同じ年齢でも、男性には“熟成”のイメージ、女性には“劣化”のイメージがつきやすい。
これが、スーザン・ソンタグが提唱した「加齢の二重基準」です。

さらに最近の研究では、

  • ジェンダー(女性か男性か)
  • 社会階層(暮らしぶり・教育・収入など)
  • 年齢

が重なることで、「加齢の三重基準」が生まれていると議論されています。

例えば、

  • 若い頃から「女の子なんだから見た目に気をつけて」と言われて育つ
  • 30代・40代になると、「老けて見える」ことが怖くなる
  • 仕事でも、家庭でも、「きちんとしている」「疲れて見えない」ことが求められる

ここに、

  • SNSの“盛れた”写真
  • 「年齢不詳」が褒め言葉になる風潮
  • アンチエイジング情報の洪水

が重なります。
「いつまでも若く美しく」
というメッセージは、一見ポジティブなようでいて、
じわじわと心を締め付けることがあります。

これは働く女性、専業主婦のどちらにも共通するプレッシャーです。
特に専業主婦の方では「働いていない分、ちゃんとキレイでいなきゃ」と、自分に厳しくなってしまう声も、よく聞かれます。
もしかすると、このようなプレッシャーが専業主婦と働く女性の自己肯定感の違いに現れているのかもしれません。

  社会階層と「見た目プレッシャー」―三重基準のもう一つの顔

フィンランドの大規模な調査では、こんな傾向も報告されています。

「自分は上中流階級だと思う」女性は、 外見を大切にし、自分を魅力的だと評価しやすい
しかし同時に、「若く見えているか」「老けて見えないか」への不安も高くなりがち

逆に、

労働者階級に属する高齢女性は、上中流階級の女性より、自分の見た目に自信を持ちにくい

つまり、

お金に余裕がある人ほどアンチエイジングの「手段」は多いけれど、
そのぶん「若さを保つべき」という圧力も強くなりやすい。

という、少し皮肉な現実もあるのです。

  働いていても、専業主婦でも─同じ船に乗っている

ここまで見てきた研究を一言でまとめると、

・働く女性:他社から評価される機会が多く、自尊心や自己効力感は高まりやすい
 でも「若くキレイでいること」へのプレッシャーも強い
・専業主婦:家族を支える役割は大きいにもかかわらず社会からの評価が見えにくく、自信を持ちにくい場面も
 「若くキレイでいること」へのプレッシャーが強くなることも

つまり、立場は違っても、同じ社会のルールの中で悩んでいるという点では共通しています。
だからこそ、働いているかどうかで優劣をつける必要はまったくありません。

  エイジングケアは「戦い」ではなく、「選び方」であってほしい

どのような立場の女性も、同じように「年を重ねる」というプロセスを生きています。

  • 若く見せる工夫をしてもいい
  • 自然体のままでもいい
  • 美容医療を取り入れてもいい
  • まったく興味がなくてもいい

大事なのは、

「社会が求める若さ」に合わせるのではなく、
自分が心から納得できる「老い方」を、自分で選んでいい。

ということ。

エイジングケアは、誰かと競うレースでも、自分を責め続けるマラソンでもありません。

今日の自分に、少しだけ優しくなるための「選び方」の積み重ね。

その積み重ねこそが、
働く女性にとっても、専業主婦の方にとっても、
一番しなやかで、美しいエイジングにつながっていくはずです。

ココロとカラダをすこやかに、自分らしく、年齢を重ねていきたいですね。

  参考文献

  1. Gopal B. Bharvad “Professionally employed women and homemakers on self-esteem and self-efficacy” International Journal of Social Impact, 1(1). DOI: 10.25215/2455/0101003
  2. Åberg, Erica et al. “From double to triple standards of ageing. Perceptions of physical appearance at the intersections of age, gender and class” Journal of Aging Studies, vol. 55, 2020, article 100876. DOI: 10.1016/j.jaging.2020.100876.

※ 論文では自己効力感(self-efficacy)として定義されていますが、本コラムでは日本で使われることが多く、似た意味を持つ自己肯定感という言葉に置き換えて記載しています。

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